近年、目まぐるしい進化を遂げているAI。今回はデザイナー界隈でも注目されている写真加工におけるAI活用について、実際にやってみた感想を実例と共にレポートしていきます。デザイナーでなくとも、役に立つシーンがあるかも?
世間では「これからの時代、AIを制する者が勝つ!」とも言われておりますが…。
AIといっても幅広いので、今回は私の業務の中で写真加工に関する部分に絞って、具体的にどんなシーンでAIが役立つのかを探っていきたいと思います。
限定的な内容になりますが、SNS運用やホームページを自社で更新している方には役立つ情報もあるかもしれません。
ふわっと「こんなことができるんだ!」と知っていただき、今後のAI活用のきっかけになれば…と思います。
[ もくじ ]
今までの業務で手間がかかっていた「写真加工」
ホームページやチラシを作る時に使用する写真。
制作物に応じて、プロのカメラマンに依頼して適した写真を撮影するのがベストですが、実際にはお客様からご提供いただく画像で制作…というケースは多いです。
そして、その画像が加工を施さないと使えない状態…というケースも少なくはありません。
- 解像度が低い(サイズが小さい)
- 人物などが見切れている
- 背景画像が足りない…
- 不要なものが写っている
これまでは手作業で一つずつ加工していましたが、写真によってはかなり時間がかかるものもあり、結構大変だなぁ~…と感じていました。
嫌いな作業ではないのですが、出来る事なら素早くキレイに加工したいところです。
驚くことに、AIを使うと、これまで数十分かかっていた作業が一瞬でできてしまうのです。
以下にAdobe Photoshopの生成AIを使用して、実際に処理してみた例をご紹介します。
低解像度の写真を、高解像度に。
お客様からいただいた画像の解像度が足りない場合は、結構あります。
無理やり引き伸ばしてしまうと、ボケてしまったり画像が荒くなってしまいキレイではありません…。
そんな時はAIを使って、できるだけ画像を劣化させずに解像度をUPさせる事ができます。
これは実際使ってみて、とても便利でした。
印刷物の場合は高解像度でないと印刷時にキレイに出力されないので、まだ十分ではないと感じましたが、Web上(SNS画像、ホームページ等)ではほぼ問題ないと思います。
※元画像のサイズがあまりにも小さい場合は厳しそうです。
人物の見切れてしまった頭を付け足す
人物を切り取って使いたいデザインの場合に、頭の先が切れているケースはよくあります。
どうにか頭の先を付けたしたい~!でもこの画像しかない~!
そんな時…今までは、Photoshopの機能を活用しながら、必要に応じて書き足していましたが…
AIなら簡単に、一瞬で付け足す事ができるんです!
すごいですよね、これ一瞬でできるんです。
※人物写真に限らず、料理の写真等で見切れてしまったお皿を継ぎ足す場合にも使えます。
背景部分を足して、使えるサイズにする
横長の画像を創りたいのに、縦長の写真しかない!
使いたいサイズにすると両端の背景が足りない…
これもよくあるパターンです。
そんな時もAIなら、予測して背景を生成して横長写真を創り出してくれます。
不要なものを消す
「この部分が無かったらな~。」「撮影の時、移動させるの忘れてた!(想定外の映り込み)」
撮影後に「消したい部分」が出てきた場合、撮りなおすのって大変ですよね…。
そんな場合も、AIなら…消せるんです!
消して背景も補完してくれるので、自然に消す事ができます。
左画像の左の人がきれいに消えています!背景も自然に補完されました。
まだAIが苦手な処理もある
写真加工においては、昔に比べると精度がかなり上がってきたと感じました。
ただ、「ゼロから画像を生み出す」という部分ではまだもう少し…という印象です。
ゼロから生み出す場合は、テキストで「こんな画像を生成して!」という指示を出す必要があります。
この指示の出し方、ワード選びが重要になるので、使う人に「AIに伝わる的確な指示を出すスキル」が必要になりそうです。
こちらも「慣れ」なのかな…と思うので、たくさん使ってコツをつかみたいなと思っています。
AIを使用する際の注意点
見ていただいた通り、AIは使い方によってはとても便利で、作業効率を格段にUPしてくれます。
ただ、「もう一歩!」という部分もあり、オールマイティーにどんな画像でも思い通りに生成してくれるわけではありません。画像によっては同じようにやってもうまくできない場合もあります。
当然、AI加工しなくても良い状態の写真を使うのがベストですが、状況によっては難しい場合もありますよね…。そんな時はAIに頼るのもアリだなと感じました。
今後、どんどんAIも進化して精度が上がってくると思いますので、今は使えるところは上手に使って、「AIを使う」という事に慣れておきたいなと思いました。
ご興味のある方は、ぜひチャレンジしてみてください!