デザインはAIで十分?中小企業が失敗しないAIの使い方

「最近はAIで画像も文章も作れるし、バナーや簡単なデザインならそれで十分なのでは?」
「ブログやホームページの文章もAIで書けるなら、外注しなくてもよさそう!」

そう感じている方、かなり増えていると思います。

ご相談の場でも、AIで生成した参考画像を見せていただく機会が増えてきました。 AIを活用すること自体、今の時代ではごく自然なことです。

私自身も、日々の業務でAIを使っています。 アイデア出し、文章の整理、構成のたたき台づくり…便利だと感じる場面は本当にたくさんあります。

ただ、一つだけ気をつけてほしいことがあります。

「AIで作れる=AIで十分」ではない、ということです。

この記事では、AIにできること・難しいこと、そして上手な使い方についてお伝えします。

AIでできることは確実に増えている

まず正直に言っておきます。
「AIなんて使えない」は、もう現実的ではありません。

バナーやイメージ画像のたたき台、ブログ記事の見出し案、ホームページ文章の下書き、キャッチコピーの候補出し、SNS投稿文の案づくり…。
以前なら1時間以上かかっていた作業が、数分で完了することもあります。

AIは「ゼロから考える負担を減らすツール」として、かなり頼りになる存在です。

でも、AIだけでは難しいこともある

ここが大事なポイントです。

AIは便利ですが、万能ではありません。
特に「意味のあるデザインや文章をつくる」という視点で見ると、苦手な部分が見えてきます。

1. 自社の本当の強みを見つけること

AIは、与えられた情報をもとに「それっぽい文章や案」を素早く出してくれます。
ただし、「自社が本当に選ばれている理由」「お客様が決め手にしているポイント」「競合と比べたときの違い」といった、その会社ならではの強みを見つけ出すことは得意ではありません。

こうした強みは、表面的な情報だけでは見えてきません。
実際のやり取りの中にある言葉、現場で感じていること、お客様の声…
そういったところから掘り起こしていく必要があります。

2. 「伝えるべきこと」の優先順位を決めること

デザインやホームページで本当に重要なのは、見た目をつくることではありません。
誰に向けて、何を一番に伝えるべきか、どの順番で見せるべきかを決めて、適切に反映させていくことが大切です。

AIはたくさんの案を出してくれますが、「どれを選んで、どれを捨てるか」までは決めてくれません。
最終的な判断は、人間がしなければなりません。

3. ブランドや会社らしさに一貫性を持たせること

AIで作ると、どうしても「どこかで見たことがある」表現になりやすいです。
これはAIの性質上、ある程度仕方ありません。

問題は、その都度バラバラに作ってしまうと一貫性が失われてしまうことです。
ホームページ、バナー、チラシ、SNS投稿…お客様からすると、これらはすべて「同じ会社の発信」として受け取られています。

ブランディングが統一されていないと、「なんか印象に残らない」「バラバラな会社だな」という感覚を与えてしまいます。

AIは個別の制作物をつくること自体はできても、会社全体の一貫性を考えることは苦手です。

4. 事実確認とリスク判断

AIは「それらしい内容」を素早く出してくれますが、それが正確とは限りません。

特に、法律や契約に関する内容は、確認せずにそのまま使うのは危険です。
文章だけでなく、画像やフォントにも著作権や商用利用のルールがあります。

[ 参考:SNSで話題になった事例 ]

「AIにお気に入りのイラストレーターの絵を学習させて、生成してもらった」
という投稿が話題になったことがありました。
生成された画像は、AIと言われなければ本人の作品と見間違うほどのクオリティでした。

クリエイターにとっては、自分が一生懸命つくった作品を無断で学習・利用されている状況です。
現行の法律では明確な線引きがない部分もあり、泣き寝入りになるケースもあるようです。

法律的にセーフだとしても、モラル的にどうなのか…という疑問は残ります。
今後、このあたりは規制が進むのではないかと思っています。
(個人的には、進んでほしいと願っています)

AIだけで作るとターゲットに刺さりにくいことが多い

AIだけで進めようとすると、最終的にこう感じることが多いです。

「それっぽいけど、なんか薄っぺらい」

同じように感じた方、いませんか?

以前、Googleの画像生成AI「Gemini」が話題になったとき、私も実際に試してみました。
数行のテキストで指示を出すだけで、数時間分の作業がサクッと完成。
デザインとしても悪くない。
正直、これは脅威だと感じました。

でも、どこかピンとこない…つまり、刺さらないのです。
抽象的で、当たり障りがなく、どこか「既視感」が…。
AIは学習したデータをもとに生成するため、そうなってしまうのも無理はありません。

普段デザイン講師をしていることもあり、たくさんの人の制作物を見てきました。
人間が一生懸命考えてつくったものには「温度」を感じます。
AIにはそれが感じられないのです。

ただ、たたき台としてなら十分使えます。
「ここから先は、使う人間の判断次第」というのが正直なところです。

AIをうまく使っている会社の共通点

では、AIはどう活用すればいいのでしょうか。

大事なのは、「全部やってもらうツール」として使うのではなく、「下書きやたたき台として使う」ことです。
うまく使っている会社は、記事の構成案を出す、バナーの方向性を複数案出して比較する、文章の言い回しを整理するといった形でAIを活用し、最後は必ず判断できる人が内容を精査してから使っています

逆に、うまくいかないケースでよく見られるのが、AIが出したものをそのまま使ってしまったり、「早く安く作れた」ことだけで満足してしまうパターンです。

AIはとても便利なツールですが、使う側の知識と判断力が、これまで以上に問われる時代になっていると感じています。

実際、私もAIを使い始めたばかりの時は、その早さと便利さに驚きました。
いろんなことができるので、つい任せすぎてしまって、失敗したことも多々あります。
一時的に満足しても、冷静に後から見ると「なんか違うんだよな~…」となることも度々ありました。

なんでもかんでもAIに頼るのではなく、「AIに任せる領域」と「自分で判断する領域」を分けて考える。
状況に応じて使い分けることで失敗しにくく、効率的に使えるようになってきました。

参考画像としてAI生成デザインを渡すのはNG?

冒頭でも触れましたが、最近はデザインのご相談時にAI生成画像を参考として見せていただく機会が増えています。

制作会社によっては嫌がられることもあるかもしれないので、一概には言えないのですが…
私個人的にはOKです。
むしろ、イメージを共有しやすく助かっています。

ただ、一点だけご注意ください。「AI生成のデザインをそのまま再現して」は難しいのです。

AIは学習データをもとに「似せて生成」しているもので、素材サイトから素材を選んで組み立てているわけではありません。
そのため、全く同じ画像やフォントを手に入れることは基本的にできません。
著作権の問題もあるため、そのまま使うことがリスクになるケースもあります。

あくまで「デザインの方向性・雰囲気の共有」として見せていただくのがベストです。
いただいたイメージをもとに、より効果的な形にデザインしていきます。

まとめ

AIを使ってデザインや文章のたたき台をつくること、今や珍しいことではありません。
うまく使えば、作業の効率化やアイデア出しに大きく役立ちます。

ただ、「AIで作れる=AIで十分」ではありません。

誰でも簡単にAIを使えるようになったからこそ、最終的に情報を精査して判断する人間の目が、より重要になっています。
AIはあくまでも便利な道具です。
その道具をどう使いこなすか、それが今後の差になっていくのだと思います。

C3 Design.伊達 智美

この記事を書いた人

伊達 智美 C3 Design. 代表

上級ウェブ解析士 / 上級SNSマネージャー / SEOマーケティングアドバイザー / デジタル庁 デジタル推進委員

デザイナー歴20年。元制作会社勤務、元事業会社デザイナー兼企画広報。岡山でホームページ制作・印刷物デザインをベースに、ウェブ解析・SNS運用・集客顧問など、地方中小企業の課題に応じた支援を行っています。

C3 Design.では、中小企業向けに集客型ホームページ制作・改善、アクセス解析、印刷物、SNS運用支援、顧問サービスまで対応しています。ご希望に応じて、社内運用に向けた集客の仕組みづくりも支援します。

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