「制作会社を変えたいけれど、ドメインやサーバーをどう扱えばいいかわからない…」
「そもそも、うちのホームページって誰が管理してるの?」
ホームページの乗り換え・リニューアルを検討する際、
必ず押さえておくべきなのが「ドメインとサーバーの名義が誰なのか」という点です。
実はこの部分を曖昧にしたまま運用している企業は多く、
結果として「制作会社を変えたくても変えられない」「データ・ドメインを移行できない」「仕方なく毎月の管理費だけ払い続ける」「制作会社が廃業してしまってどうにもならない」など、さまざまな問題が起こることがあります。
どれも、ビジネスに大きな影響が出かねないトラブルです。
この記事では、自社名義で所有した方がいい理由と、トラブルを防ぐためのポイント をわかりやすく解説します。
[ 目次 ]
ドメイン・サーバー契約の所有権は誰が持つべき?
結論:基本的には「自社」名義にしておくのが安心です。
「ホームページ制作会社に全部任せているから、わからない。」
「多分、自社名義になっていると思うけど…自信はない。」
「あれ?うちのドメイン、誰が契約者なんだろう…?」
リニューアルをご依頼いただいた時、サーバー・ドメインについてお尋ねすると
このような返答が返ってくることがあります。
ホームページの運用では、
ドメイン(URL)とサーバーの契約名義が誰になっているかが非常に重要です。
なぜなら、ドメインとサーバーはホームページの「土台そのもの」だからです。
ここが他社(制作会社側)の契約名義になっていると、
- リニューアルが自由にできない
- ホームページが他のサーバーへ移せない
- ドメインの設定ができない
- 急なトラブル時も、自社では対応できない
などの深刻な問題が起きるケースがあります。
ドメイン・サーバー契約とは?
- ドメイン:インターネット上の住所(例:c3-d.jp)
- サーバー:ホームページやメールを置いておく「土地」
ホームページは「家」に例えられ、この2つが揃って初めて公開できます。
ドメイン・サーバーとは?仕組みと費用
ホームページと言えば「ドメイン」「サーバー」という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。 ドメインもサーバーも、…
続きを読む自社のために制作費用をかけて作ったホームページ。
こちらは当然、自社の所有物と言えます。(契約内容にもよります)
ただ、それらを公開するのに必要となる住所や土地が他社の所有物だったとしたら…
他人の土地・住所に、家を建てている状態です。
ホームページを他のサーバーへ引っ越したり、管理会社を変更する場合は、必ずこのドメイン・サーバーの設定が必要になります。
ドメイン・サーバーの所有権(契約者)が自社であれば、自由に引っ越しもできるのですが、
所有権が制作会社側にあった場合、勝手に引っ越すことは難しいのです。
今後もずっとその制作会社へ依頼する前提であれば、大きな問題が表面化しないことも多いでしょう。
万が一、何らかの事情で他の制作会社に乗り換えなければならなくなった場合に、ドメイン・サーバーの所有者(制作会社)との間でトラブルが起きる事があるので、ここは注意が必要です。
制作会社名義にしたままの「よくある4つのリスク」
サーバーの名義は制作会社であっても、管理画面に入るログイン情報はもらっているというケースもあります。
ただ、ログイン情報があるからと言って、サーバーの名義(契約者)も自社とは限りません。
サーバーの設定権限が限定されている場合もあります。
管理画面から契約者情報を閲覧できる場合は、そちらを確認されるのをおすすめします。
以下のリスクは特に「所有権もなく、管理画面へのログイン情報ももらっていないケース」を想定しています。
① 制作会社を変更したくても、移管ができない
ドメインやサーバーの契約者が制作会社だと、
- 移管の許可が必要
- 連絡が取れないと移せない
- 最悪、拒否される
という問題が起きることがあります。
② サービス終了・倒産でホームページが突然消える可能性
制作会社の都合で
- サーバー契約が更新されない
- ドメインが失効する
- 過去メールが全部消える
など、実際にこのようなトラブルが起きているという事例もあります。
特に、ドメインの失効は致命的です。
長年使用してきたドメインは、検索エンジンからの信頼性も高くなり、SEOで有利になる可能性があるとても貴重なものです。
一度失効すると、最悪、二度と同じURLに戻せません。
コツコツと運用し、大切に育ててきたホームページも、ドメイン・サーバーとともに消えてしまいます。
③ メールアドレスが使えなくなる
サーバー契約が他社名義(管理画面へのログイン情報をもらっていない場合)だと、
- 自社でメール設定、メールアドレスの発行ができない
- 転送や変更ができない
- 会社のメール受信トラブルの対応がすぐにできない
という事態が起きてしまい、事業に支障をきたす場合もあるので要注意です。
④ 更新費用や設定手数料を「永続的に」取られ続ける
制作会社名義の場合、サーバー・ドメイン会社からの請求書は制作会社へ行きます。
制作会社側はその費用(実費)に加えて、
- サーバー管理費
- メール設定費用
- ドメイン更新手数料
などを「自由に設定」できるので、本当に適正な価格での請求なのか判断が難しいところです。
相場の3〜5倍の金額になっていた、というご相談をいただくこともあります。
[ 信用できる制作会社なのかどうかがポイント ]
とはいえ、信頼できる制作会社へ依頼されている場合はこの限りではありません。
実際に、
- 自社での管理が難しいためドメイン・サーバーの契約は制作会社でやってほしい。
- 設定方法がわからない・設定できる人がいないから、都度依頼したい。
- ドメイン・サーバー費用・作業費は、毎月まとめて請求してほしい。
と希望される企業様はおられます。
そして、きちんとお客様の事を考えて対応されている制作会社も多くあります。
制作会社を変更する場合も、最後まで責任をもってサーバーの移転、ドメイン譲渡など行ってくださる会社もあるので、一概に「契約者が制作会社=悪意がある」というわけではありません。
ただ、一部そういったトラブルが起きている事例もあるため、お客様側でも「自社の身を守るために」認識しておくことは重要だと思います。
自社名義で管理するメリット
✔ いつでも制作会社を変更できる
ドメイン・サーバーを自社名義にしておけば、「管理会社の都合で動けない」という状況を避けられます。
好きなタイミングでリニューアル/乗り換えが可能です。
✔ 不要なコストを削減できる
ドメイン・サーバーを直接契約した場合の価格帯は以下です。
(ドメインの種類や、サーバーによって異なります)
- ドメイン:1,000〜5,000円程度/年(年払い)
- サーバー:1,000〜5,000円程度/月
名義が制作会社の場合、制作会社がこちらの費用を支払い、ここに手数料などを加算した金額をお客様へ請求する形になります。
経理上の事務処理等が発生するので手数料がかかるのは当然ですが、問題はここが自由に設定できてしまうので適正な価格での請求になっているかどうかがポイントです。
✔ メール・設定変更が自社の判断でできる
新入社員のメールアドレス作成・設定ひとつにも、制作会社を通す(作成を待つ)必要がなくなります。
自社で必要な時に、すぐに発行できるとスムーズです。
✔ ホームページが「純粋な自社資産」になる
ホームページは会社の大事な資産です。
ホームページも、その土台となるドメイン・サーバーも自社名義であれば、万が一の場合も自社でコントロールできるので安心です。
自社名義へ変更するときは?
もし、ドメイン・サーバーの契約者(名義)が自社になっていない場合は、万が一に備えてお早めに変更しておくのをおすすめします。
※特別な事情があって、あえて制作会社名義にしている場合はこの限りではありません。
また、名義を自社に変更したとしても、管理画面の設定権限(管理画面へのログイン情報等)があれば制作会社・管理会社側でも管理することはできます。
このあたりは制作会社・管理会社によって対応が異なる場合もあるので、念のためご確認いただくと安心です。
ドメイン・サーバーの名義変更手順は、各ドメイン会社・サーバー会社によって異なります。
名義変更にかかる費用とあわせて、現在契約中の制作会社へ問い合わせ・依頼するのが良いでしょう。
まとめ
ホームページのドメイン・サーバー契約は、
「自社名義で持つ」ことが最も安全で最もコストを抑えられる方法です。
長期的な運用・リニューアル・乗り換え・メール運用など、
すべてに影響する重要な部分なので、今の名義が曖昧なら早めの確認をおすすめします。
制作会社に確認しにくい…第三者視点でアドバイスします
C3 Design.では、ドメイン・サーバー契約の状態チェックや、適切な運用方法についてもアドバイスを行っています。
- 今の名義が誰になっているかわからない
- 移管トラブルが心配
- 運用コストを見直したい
- 現状を聞いてほしい、アドバイスが欲しい
という方は、一度ご相談ください。
C3 Design.では、現状のホームページの診断・改善アドバイスも行っています。
誰に相談すればよいかわからない、運用面や更新に関するご質問も可能です。