AIの登場もあってか、昔よりも「著作権」について注目・議論されるようになってきましたね。
今回は制作者だけでなく、お客様にも知っておいてほしい著作権問題について書いてみようと思います。
[ もくじ ]
知らなかったではすまされない「著作権」
「著作権」は、「著作物(デザイン・イラスト・写真等)」を作った人に与えられる権利のことで、自分が作った著作物を無断で複製されたり、利用されないように守るものです。
デザイナーという職業柄、私にとっては身近な「著作権」。
例えば、私が制作したデザイン、イラストを、第三者が無断で利用するのは禁止されています。
当然、私以外の第三者が撮影した写真やイラストにも著作権があります。
そのため、第三者が制作したイラスト・写真をホームページや印刷物などに利用する際は、利用規約に基づいて著作権を守って扱う必要があります。
万が一著作権に違反した場合、損害賠償を請求されたり、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金など、状況によって処罰される場合があります。
「知らなかった!」ではすまされないので、制作者だけでなく、依頼者も知っておくと安心です。
とはいえ、普段なじみのない方は知らない場合もあるのでNGな場合は、私から説明させていただいています。
※営利目的ではない場合、私的利用の場合など、著作権侵害にあたらない場合もあります。
フリー素材だったら著作権OKでしょ?
フリー素材を使ったことがある方もいらっしゃると思います。
とても便利で、私も使う事はありますが…
フリー素材=著作権フリーというわけではありませんので注意が必要です!
フリー素材にも利用規約が定められているため、「利用規約の範囲内でご自由にお使いください」という意味合いと捉えてもらった方が良いかもしれません。
フリー素材サイトなどで写真やイラストをダウンロードする際は、利用規約をよく読んでご利用ください。
そのまま使わず、トレースしたらいいんじゃない?
トレースして個人でひっそり楽しむだけなら違法ではありませんが、トレースしたもので利益を得たり、許可なく自分の作品として公開したりするのはNGです。
第三者の制作したイラストをトレースするのはもちろんNGです。
また、第三者の撮影した写真をトレースしてイラスト化するのもNGです(過去に写真の構図も著作権扱いとなった事例もあります)。
近年では、あるイラストレーターさんのイラストに似せた(寄せた?)イラストが描かれたポスターが問題になり、回収される事態になっていました。
こちらの件は、トレースしたわけではないのですが、元のイラストレーターさんの独特な特徴(色味、線の太さ、人物の輪郭など)が酷似しているという理由からNGになったのではないかと思われます。
GoogleMapの著作権も注意!
結構、知られていないのがGoogleマップのトレースがNGということです。
Google マップをトレースして地図をイラスト化して作成している方が多いのですが、こちらも著作権侵害に該当しますので、ご注意ください。
ホームページや印刷に関しての利用規約もありますので、一部引用してご紹介します。
ウェブとアプリ
ウェブサイトに Google マップを埋め込むだけであれば、当社の許可は必要ありません。また、「Google マップで表示」や「Google マップで開く」などのテキストやボタンを使用して、ウェブサイトに Google マップへのリンクを貼ることもできます。印刷
Google マップのコンテンツは、非営利目的または個人的な使用(ルート案内付きの地図など)であれば印刷できます。コンテンツを含む印刷物を配布する場合は必ず、フェアユースと帰属表示に関する上記の一般的なガイドラインを必ずお読みください。
引用元GoogleMapガイドライン:
https://about.google/brand-resource-center/products-and-services/geo-guidelines
実際にあった著作権に関するやりとり
今でこそ遭遇する機会は減りましたが、昔よくあったのが…
私「ホームページに使ってほしい写真などありましたらお送りください!」
お客様「はい!こちらになります!( *ˊᵕˋ)_□ソッ」
私「・・・・・・・。」
(心の声「あっ…これどっかで…見たことあるような…」)
私「あのぅ…こちら、どちらで入手されましたか?」
お客様「インターネットで検索したら、ちょうどイメージ通りのものを見つけたので、こちらお使いください!(`・ω・´)キリッ」
私「・・・・・・・。」
(心の声「あっ…これNGかも…」)
・・・インターネットで調べると、やっぱりNGなヤツだった・・・
私「申し訳ございませんが、こちら著作権の関係で使用不可となっておりまして~(ご説明)…」
お客様「ええ!そうなんですか!?知りませんでした!=͟͟͞͞(꒪ᗜ꒪ ‧̣̥̇)
じゃあ、こちらのイメージに近い素材を探していただけますか?」
私「ご理解ありがとうございます!承知いたしました!」
※こちらのお客様の場合、本当に知らなかっただけなので、スムーズにご理解いただけて助かりました。
中には「バレなきゃ大丈夫でしょう?」と言われる場合もあったので…そこは根気強くご説明していました。(罰せられると双方困りますよね…)
結局のところ、著作権どうしたらいい?
著作権の問題は、調べれば調べる程複雑で難しいですよね。
使いたい写真のイメージをインターネットで見つけた場合、その画像を制作者(デザイナー)へ共有していただくのは問題ありません。(むしろイメージしやすく助かります)
デザイナーが気が付かず、オリジナル写真と認識して使用してしまうと危険なので、ご共有いただく際は引用元(どこから入手したか)をあわせてお知らせいただけると、とても助かります。
利用規約を守って利用するなら写真素材でもOKですが、他のサイトでも使われていたりするのでオリジナリティにかけてしまう事もあります。
できることなら、オンリーワンな写真を撮影して使用されるのがおすすめです。
オリジナルな写真だと、より一層愛着がわきますよ!
↓著作権に絡んで二次利用についてもこちらに書いています。よろしければご覧ください。